『Qualia〜クオリア〜』
ブランド:Ware-Suika
ジャンル:サウンドノベル
レーディング:18禁
シナリオ:斎藤あつめ&佐堂眞軌
原画:斎藤あつめ
ボイス:無
萌え:ヤンデレハーレム
総合:良作
シナリオ:★★★
商業・同人共にBLゲーム隆盛期である2004年に発売され、続編『Qualia-Replace-』の完成が待ち望まれる本作。情報に疎く、今ほど主人公攻めに固執していなかったあの頃、意識せず手に取った本作ですが、自らの引きの強さに改めて驚かされました。お待ちかねの和風伝奇&主人公総攻めゲームですよ!
教え子から届いたメールがきっかけで、のどかな夏の田舎町を訪れた主人公が、過去から続く因習に巻き込まれていく筋書き。猟奇的な事件、町に伝わる奇妙な伝承、謎めいた双子の兄弟……と、コテコテともいえる設定ですが、ラノベじみた語り口の主人公のおかげでとっつきやすい印象を受けました。
攻略対象は明るい双子の兄の隻・無愛想な弟の蒼・叔父の智久の3人。ご多分に漏れず全員が秘密を抱えており、彼らの因縁はお約束ながら萌えます。フツーの好青年である主人公(顔なし)に、揃いも揃って重たい情念をぶつけてくる男たち。この温度差が生んだ恐怖と紙一重の快感、いいですね。
不満点を挙げるなら、主人公とメインヒロインのキャラクター性が弱かったこと。主人公に関しては、真ヒーロー向坂の存在があったせいでしょう。制作者も自覚しているのか、続編では堂々と主人公の座を獲得しているようですので、彼の今後に期待です。真相担当のヒロインは隻ですが、これもダークヒロインの蒼に食われてしまって残念でした。
そんな中、意外なまでにBLしているのが智久さん。萌え要素も泣き要素も初恋要素も入れてくるとは、あなどれない腹黒着物美人です。
グラフィック:★★★★
少女漫画タッチのやわらかい線と塗りで、癖がなく万人受けする絵柄。当時のBLゲーム事情をかんがみれば、商業作品に勝るとも劣らない出来だったと思います。
猟奇的な部分は抑え気味にしたのか、血糊少なめ。ほんわかし過ぎてて恐怖が半減という結果に終わってしまうこともありました。せっかく18禁なのだし、続編では思い切ってほしい。
あと、正直パッケージがもう少し華やかなデザインだったら、ジャケ買いだって増えたのではないかなァ……と余計なことも思ったり。
サウンド:★★★★
舞台にぴったり合った、郷愁を誘う良曲揃い。主題曲は今でも耳に残っています。なぜサントラを入手しておかなかったのか、昔の自分をうらみたい。
特にラストのバトルシーンへのBGM切り替わりは素晴らしく、軽くなりがちな文章と絵柄をサポートしていたと思いました。あのシーンで燃えられたのは、間違いなくBGMの功績です。
演出:★★☆
限られたグラフィックと良質な楽曲をうまく使用した、これまた正統派サウンドノベル的演出。派手ではないけれど丁寧です。
システム(ゲーム性含む):★★★
蒼→智久→隻の攻略順固定、クリアごとにルートが増え、真相が明かされるという仕組み。バッドENDへの選択肢もいくつかありますが、難易度は高くありません。
同人ゲームではおなじみ『吉里吉里/KAG3』使用。動作は安定していて、インターフェースデザインもシンプルで見やすい。
総合:良作
隅々まで安定した、これぞ和風伝奇。身も蓋もなく言ってしまえば目新しさがないのですが、最後まできちんと完成させようという姿勢は、商業・同人問わずゲーム制作のお手本になりうると思います。
2014年現在はロットアップしていますが、『Qualia-Replace-』の発売時にリバイバル版が発売されるとのことですので、今から楽しみに待っています。

好きキャラ:伏見蒼、霧島智久
好きルート:智久END
好きカップリング:主人公×蒼、主人公×智久
好きサウンド:『Qualia』『Evasion』
こんな人にオススメ:和風伝奇好き、攻め主人公好き、悲恋好き

       
       

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