『birdie〜ぼくらの恋愛心理学〜』
ブランド:アイン
ジャンル:視点選択式ADV
レーディング:18禁
シナリオ:高城響&鷹匠早紀
原画:麻生海
ボイス:有
萌え:BL耐性が今試される
総合:良作
シナリオ:★★★
ボクらのダーティヒーロー・椿恭一(以下バッキー)がやってきた\(^o^)/
バッキーのバッキーによるバッキーのためのドロドロ愛憎劇! 爽やかアイドルものと思ったら奈落の底に真っ逆さま! 鬱、鬱、鬱! カラッとなんてできない、みんなウェッティ!
アインの描くBLは、たしかに心理描写は素晴らしいのですが、そのねちっこさが肌に合うか合わないか、評価の分かれ目だと思います。
臆病、無神経、身勝手、排他性。そんな暗黒面を抱えるキャラたちの間に、椿恭一というトンデモナイ男が入り込んできたことで、歯車が狂い出す。
もともと上っ面だけの平穏だったので、バッキーがちょいと突いてやれば面白いくらい崩れ出す関係、繰り広げられる痴情のもつれが見所です。
この作品は、BLに不慣れであればあるほどつらい。キャラクターたちが男相手に当然のように恋愛感情を抱き、ネガティブな心情を漫然と吐露するさまに、相当なストレスを強いられました。逆にディープなBL好きであれば、カップリングの好き嫌いはあれどハマれるのではないでしょうか。
後述の視点選択システムにより、分岐数、エンディング数が多く、BL界でも屈指のボリュームを誇るシナリオはとにかく圧巻。細部まで丁寧に練られたプロットに、ライターの執念じみたBL愛を感じました。
グラフィック:★★★☆
原画はBL好きならおなじみ麻生海氏。作風によく合っていました。塗りは色調暗めでリアル志向。ですが一部キャラクターは血色が悪過ぎてマネキンのように見えてしまい、ちょっと怖かった。
あ、踊るバッキーは超必見です。
サウンド:★★★
タイトル画面で流れる白々しいまでの明るい曲が、これからの鬱展開を彩ってくれます。BGMは単調ですがOP・ED曲は良かった。特にED曲は各キャラトゥルーEDでのみ流れる爽やかな曲調で、最後の鳥の羽音に「ああ、バッキーの呪縛から解放された……」と清々しい気分になること請け合い。
ボイス:★★★★☆
かなり安定したクオリティを誇っています。皆さん甲乙付けがたいですが、特に光っていたのが喬志役の嶋野裕氏。ひらがな、カタカナ、女言葉、妙な箇所の句読点と、文章だけではキツイ喬志独特のトリッキーな台詞をうまく演じられていたと思います。
誰の陰謀か総受けの宿命を負っている葉役の眞嶋リョウ氏は、総受けの名に恥じない熱演で、たまにこっちの目頭も熱くなりました別の意味で。
あ、バッキー演じる一条和也氏は別格なのでもはや何も言うことはありません。脱帽です。
演出:★★
画面いっぱいにテキストが表示されるビジュアルノベル形式。シナリオ自体、小説と何ら変わりがないので特に気になりません。もう少しアイドルらしい派手な演出があってもよかったなと思います。
システム(ゲーム性含む):★★★
『恋愛心理学シリーズ』特有の視点選択システム搭載。場面ごとにキャラクターを選び、そのキャラの視点で話を進めていく画期的なシステムですが、これがまた非常に難解で頭を抱えるハメになりました。
くっつけたいCPのどちらか一方だけを選択し続ければいいというわけではありません。キャラを選ぶことで、のちに選択できるキャラが増減したり、そこでの選択肢によってさらにルートが分岐したりと、かなり複雑なシナリオ構成になっています。一体どんだけデバッグに手間をかけたのか、考えただけで気が遠くなりそう。
一応ヒントも出してくれますが、それを使ったとしても難しい。メモどころかフローチャートを作成しないと、自力攻略は不可能かと思われます。その分、トゥルーEDに辿り着けた時の開放感は感無量です。
総合:良作
ねちっこい心理描写でBL好きのツボを突く、ボリューム満点愛憎劇。あとは趣味に合うか合わないかの問題。こればっかりはプレイするのが手っ取り早いかと思います。
唯一好きになれたルートは喬志×葉。気まぐれでトラウマ持ちの喬志を、しっかり者の葉が支えるといった関係が実に穏やかで安心できました。友情で終わるのもイイ。ドラマCDの後日談でくっつきますが、そこに至る流れも自然で、ようやく可愛いほのぼのBLに巡り会えました。

好きキャラ:神沢喬志
好きルート:喬志×葉友情ルート
好きカップリング:喬志×葉
好きサウンド:『begnning』『そしてぼくらは歩き始める』
こんな人にオススメ:BLよりJUNE派、年上×年下萌え、バッキーファン

小説版。柊×葉がメイン。 二作目カフェリンとクロスオーバーファンディスク。

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