『Daylight -朝に光の冠を-』
ブランド:Senz
ジャンル:学園伝奇アドベンチャー
レーディング:全年齢
シナリオ:ちゃい
原画:坂本あきら
ボイス:有
萌え:友情萌え∞
総合:秀作
シナリオ:★★★★
友情萌え。友情最高。
女性向けゲームと言えば18禁ボーイズラブ、みたいな現市場において、全年齢かつ非BLという存在はなかなか厳しい。
本作も、並以上のクオリティを保っているにもかかわらず、やっぱり地味なデビュー作となってしまった。非常に残念。
自分が“全年齢匂わせ非BLゲーム好き”であることを踏まえても今作は、作り手の愛情を感じられる素晴らしい作品だったと思います。
当初、まるでBLを意識させられるパッケージ絵と各メディア展開のおかげで、逆に敬遠していたのですが、コミカライズを機にプレイ決行。結果、心配は杞憂に終わりました。友情っていいよね! うん!
しつこいくらい繰り返したように、これはBLどころか匂わせてすらいません。なんであんなパッケージ絵なんだ? と首をひねりたくなるほどに友情です。友情、もしくは唯一無二の絆。
さらに、一応攻略対象なるものは用意されているものの、結局はルカとユースの因縁を描いた物語なので、ユース以外のルートはどれもおざなりという印象を受けました。
したがって、ユースに萌えたモン勝ちです。ユース以外のキャラもそれぞれ魅力的ですが、それでもユースが好きになれなければ厳しい。自分はまあ……ユースが大好きです。ハイ。
同人ゲームですがたとえば『花帰葬』、あちらが切なさや重い宿命、重い絆を描いた静かな物語だとしたら、『Daylight』はアグレッシブな物語。宿命の重さは同量だけど、主人公が常に前向きなので、爽やかな青春ジュブナイルという雰囲気が漂っています。
正直、女性向けゲームでここまで能動的な主人公は久々だ。自分が理不尽に殺されるという状況で、キャラクターたちは主人公を守ってくれない。主人公が自ら働きかけて、協力を得なければ助からない。
主人公が主人公していて、たいへん好感が持てました。お姫様主人公に食傷気味の方は必見。(ちなみにユースは最初からデレデレです。天敵のくせに一番の味方)
『人と人でないものの対話・共存』
王道なテーマですが、そのテーマを描くための設定やキャラクター造形が堅実。作者の伝えたいことがブレずにはっきりしていて、小気味良いシナリオでした。
グラフィック:★★★☆
多少おかしな箇所もありますが、開発が進むにつれ絵師さんの腕が上がったのか、徐々に上手くなってゆくさまがなんだか恐ろしかった(笑)
塗りの良さは、夜のシーンなどで発揮される。余談ですが『花帰葬』でグラフィックを担当した方もいらっしゃるようです。
ユースのCGの顕著な気合の入れっぷりはともかく、各キャラパターンも多く、おおむね安定して綺麗なグラフィックでした。
サウンド:★★★★★
制作会社がホビボックスだということもあり、音響関係がやたらとハイレベルな本作。
耳に残る曲が多く、ここぞという時もしっかり盛り上げてくれます。ユースルート最後の主題歌アレンジはよかった。アレンジに弱い自分。
ただ、ゲーム本体内音楽鑑賞モードでは、全曲収録されていないので残念。
もちろん主題歌、ED曲も共によかったです。というか、正直ここまでとは思わんかった。あなどりがたしSenz。
特にED曲『君がいるから』は、主人公役の近藤孝行氏が歌い、しかも真相扱いのユースルートでのみ流れるので感無量です。また歌詞がいいんだ……。
ボイス:★★★★★
今が旬の声優陣というより、こちらも堅実なところを持ってきたというイメージ。
芸達者な方揃いですが、中でも主役二人は際立って演技派だったと思います。
ものすごい物量を喋った近藤氏からは、ルカの心情が手に取るように伝わりました。おまけに歌うめえ……びびった。
氏のファンはもちろん、根強く人気の石田彰氏ファンも大満足必至。銀髪、天然クール、石田彰の三拍子に自分はいともたやすく萌えました。口数少ないキャラですが、端々にこもる感情の表現っぷりはさすが。
演出:★★★
アドベンチャーゲームとして標準レベルですが、BGMのフェードアウトなどが弱いなと感じる箇所もあり残念。そこにもっと気を配ってくれたら、感動も上乗せだっただろうに。
SE、トランジションの使い方、フラッシュバックなど、シナリオを補うような演出はなかなかでした。
システム(ゲーム性含む):★★★☆
快適の一言。文句のつけようがない。コンフィグ画面が2ページに分かれていたりするのが、やや億劫かなと感じるくらい。
ただ、シナリオの構成上、ルート制限及びフラグ管理がなかなか厳しい。
初回はメイ、ミンミのみ攻略可能、どちらか攻略後にフォル、ジェシーが開放、4人のうち2人攻略でユース(真相)開放、という仕組み。さらに一つ選択肢を間違っただけで、容赦なくバッドエンドに飛ばされるので注意。
総合:秀作
振り返ればベタ褒めばかりしていますが、仕方ありません。完全に自分の好みのツボに入りました。BLに非ず、友情。友情最高!
メイの時も相当ニヤニヤしましたが、ユースルートのクライマックスは半端なかった。なんかもう俺の友情リビドーMAXだった。うおおお! ってなった。疲 れた。あのユースが声を荒げるってだけですごいのに……。かばったりかばわれたり、もう、おまえら! と……。クリア後はやたらと清々しい気分になること 請け合い。
埋もれてしまうのが本当に惜しい作品。だからといって18禁BLにしてしまったら余計に残念だし、恋愛じゃなかったからこそ描けた物語だとも思う。
たまにこんなのが出るから、女性向けゲームは面白い。これからもこのメーカーにはがんばってほしいです。

好きキャラ:ユースミルス・C・R・ウィンタテリウム
好きルート:ユースグッドED
好きカップリング:ルカとユース(ひたすら友情萌え)
好きサウンド:『Daylight』『君がいるから』『遠い約束』
こんな人にオススメ:友情萌え、爽やかラノベ好き、近藤孝行氏が好き

 
ゲーム未収録曲網羅、OP・ED曲フルver収録。 漫画版。ユースルートが主軸、本編とは違った結末です。 廉価版が発売されました。お手頃価格なのでぜひ。  

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