『セラフィム・スパイラル-少年の檻-』
ブランド:b_works
ジャンル:学園伝奇ドラマチックADV
レーディング:全年齢
シナリオ:高野克巳&崎村侑子
原画:高野克巳&崎村侑子
ボイス:無
萌え:ギリギリエロスの真骨頂
総合:秀作
シナリオ:★★★☆
『セラフィム・スパイラル』が発売された当初、“BLゲーム”というのは今ほど世間に知られていませんでした。ちょうどアリスブルーが参戦した頃でしょうか。なんかもう、懐かしくて涙が出そうです。
のちの制作者インタビューで「全力を出し切った」とあったように、b_worksデビュー作にして最高作だったと思います。
モロ見えより、ちょっと隠された方がそそる、とはよく言ったもの。愛憎、背徳、執着などをテーマにし、全年齢のギリギリに挑戦したシナリオは、へたな18禁より断然エロい。
主人公の暁人くんは、あっちで襲われこっちで拉致られそっちで守られ、不幸の星の下に生まれたとしか思えない受難ぶりなので、主人公総受け派のユーザーにはオイシイ仕様になっています。人見知りの激しいお兄ちゃんっ子ですが、なつくととても可愛い。なんで攻略できないんでしょう。
転校してから次の満月までの二週間を、誰とどう過ごすかで『愛憎ルート』『友情ルート』に分岐。
血の因習に囚われてゆく兄シナリオがこの作品の核なのでしょうが、正真正銘のヒーローである御神薙と一緒に因習を打ち破る結末が、物語の締めとしてふさわしく思いました。
多少のグロ表現やサスペンスホラー要素が駄目でなければ、ギリギリエロスに悶えること必至。ゲームならではのマルチ性も兼ね備えた、飽きさせないシナリオでした。
グラフィック:★★☆
嫌味のないシンプルな絵柄です。
だいぶ前のゲームなので、立ち絵やイベント絵の少なさには閉口。塗りを含むグラフィックの一枚一枚が丁寧なので、好感が持てました。
サウンド:★★★★☆
風水嵯峨氏が手がける、硬質なピアノサウンドが印象的。名曲揃いです。
結末の数だけED曲が用意され、泣ける曲あり、背筋が凍る旋律あり、これからを希望させる勇ましさありで、あなどれない。
演出:★★☆
ここぞという時だけBGMを流し、無音状態が長く続く、というのは、人によっては賛否両論だったと思います。個人的に、その「ここぞという時」のタイミングがなかなか絶妙で、気分を盛り上げるのに一役買ってくれたので、試みとして間違っていないと感じました。
システム(ゲーム性含む):★★★
後継作『ラシエルの箱庭』『マギア・ミスティカ』でもおなじみ、好感度システム搭載。選択肢のたび、好感度の上下を示すランプが点滅します。当時では画期的だったなあ。
インターフェイス、システム周りなどシンプルでわかりやすい。バグもなく、快適です。
総合:秀作
初めてプレイしたBLゲーム、というだけで思い入れは人一倍。この道に引きずり込んでくれたニクイ奴なので、今もってしてもついつい贔屓してしまう作品です。
「売れやすい作品」が数多ある中で、「愛を込めて作られた作品」を、b_worksは作り続けていってほしい。
現在は『ラシエル』同様、グラフィックが追加された廉価版が発売されているので、ぜひ手にとってギリギリエロスを味わっていただきたいです。

好きキャラ:御神薙
好きルート:御神薙ルート
好きカップリング:暁人&御神薙(カプに非ず)、須王×暁人
好きサウンド:『暁光』『翼』『祈り』
こんな人にオススメ:チラリズム主義、主人公総受け派、ブラコン万歳

 
廉価版。CGやBGM追加。 Mac版。Macエロゲユーザーさんに……。 小説版。御神薙+兄ルートが軸。  

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